脂質が多く含まれる食品と食事摂取基準、欠乏と過剰摂取

日本食品標準成分表2015年版(七訂)に基づき、脂質が多く含まれる食品および、少なく含まれる食品をランキング形式で紹介しています。

食品群や水分量で絞り込んだりすることもできます。

 

また日本人の食事摂取基準(2015年版)から、脂質の食事摂取基準と、欠乏症・過剰症も紹介しています。

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脂質が多く含まれる食品

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可食部 100 gあたり

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( ): 推定値, -: 未測定, Tr: 微量

日本食品標準成分表2015年版(七訂)より

脂質の食事摂取基準

脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率):%エネルギー

性別男性女性
年齢等目安量目標量1(中央値2目安量目標量1(中央値2
0~5(月)50-50-
6~11(月)40-40-
1~2(歳)-20~30(25)-20~30(25)
3~5(歳)-20~30(25)-20~30(25)
6~7(歳)-20~30(25)-20~30(25)
8~9(歳)-20~30(25)-20~30(25)
10~11(歳)-20~30(25)-20~30(25)
12~14(歳)-20~30(25)-20~30(25)
15~17(歳)-20~30(25)-20~30(25)
18~29(歳)-20~30(25)-20~30(25)
30~49(歳)-20~30(25)-20~30(25)
50~69(歳)-20~30(25)-20~30(25)
70以上(歳)-20~30(25)-20~30(25)
妊婦--
授乳婦--
*乳児の目安量は、母乳栄養児の値である。
1 範囲については、おおむねの値を示したものである。
2 中央値は、範囲の中央値を示したものであり、最も望ましい値を示すものではない。

日本人の食事摂取基準(2015年版)より

脂質の摂取

基本的事項

 脂質(lipids)は、水に不溶で、有機溶媒に溶解する化合物である1)。栄養学的に重要な脂質は、脂肪酸(fatty acid)、中性脂肪(neutral fat)、リン脂質(phospholipid)、糖脂質(glycolipid)及びステロール類(sterols)である。

 脂質は細胞膜の主要な構成成分であり、エネルギー産生の主要な基質である。脂質は、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)やカロテノイドの吸収を助ける。脂肪酸は、炭水化物あるいはたんぱく質よりも、1 g 当たり2 倍以上のエネルギー価を持つことから、ヒトはエネルギー蓄積物質として優先的に脂質を蓄積すると考えられる。コレステロールは細胞膜の構成成分である。肝臓において胆汁酸に変換される。また、性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどのステロイドホルモン、ビタミンD の前駆体となる。2)

欠乏

飽和脂肪酸は食品から摂取されると共に、炭水化物やたんぱく質の中間代謝産物であるアセチルCoA からも合成することができる。そのため、推定平均必要量、推奨量、目安量は設定できない。しかし、重要なエネルギー源であり、適切なエネルギー比を維持し、摂取する脂肪酸の比率を良好なものとする必要がある。また、摂取量を少なくすると、心筋梗塞罹患のリスクを小さくできることが介入研究で示唆されているため、目標量を設定した。

過剰摂取

 冠動脈疾患との関連で、コホート研究のメタ・アナリシス23)では、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換えた場合、冠動脈疾患罹患ハザード比は0.87 に低下したが、一価不飽和脂肪酸に置き換えた場合1.19 に増加、炭水化物に置き換えると1.07 の増加が認められている。飽和脂肪酸摂取量と心筋梗塞罹患との間に強い関連が認められない理由として、飽和脂肪酸の種類により効果が異なる可能性や飽和脂肪酸を含む食品により冠動脈疾患罹患リスクが異なることが指摘されている24)。乳製品由来の飽和脂肪酸摂取は心血管疾患を予防するが、肉由来の飽和脂肪酸摂取は心血管疾患のリスクとなっている25)。日本人45~74 歳を対象としたコホート研究、JPHC 研究26)では、飽和脂肪酸摂取量と心筋梗塞罹患に正の関連が認められ、最小五分位群(飽和脂肪酸摂取量9.6 g/日、4.4% E)に比べ、中間五分位群(飽和脂肪酸摂取量16.3 g/日、7.2% E)で心筋梗塞罹患ハザード比が1.24 に、最大五分位群(飽和脂肪酸摂取量24.9 g/日、10.9% E)は1.39 に増加した。欧米での多くの介入研究では、飽和脂肪酸摂取量を減少させると、冠動脈疾患罹患率、動脈硬化度、LDL コレステロール値の減少することが示されている。例えば、介入研究(一次予防、二次予防を含む)を統合したメタ・アナリシス27)で、飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換え、多価不飽和脂肪酸摂取量(n─6 系脂肪酸とn─3 系脂肪酸の両方を含む)を平均14.9% E に増加した場合、コントロール群(多価不飽和脂肪酸摂取量は平均5.0% E)に比べて、心筋梗塞罹患(死亡も含む)相対危険は19% の減少を認めている。

 糖尿病、肥満との関連では、観察研究28,29)で糖尿病罹患と飽和脂肪酸摂取量との間に正の関連が示されているが、BMI で調整すると飽和脂肪酸摂取量と糖尿病罹患との関連は認められなくなる。一方、糖尿病罹患の原因の一つであるインスリン抵抗性と飽和脂肪酸摂取量との関連を調べた横断研究30─32)では、BMI 調整後でも飽和脂肪酸摂取量とインスリン抵抗性の正の関連が認められている。介入研究33,34)でも、飽和脂肪酸の多い食事はインスリン抵抗性を生じている。一価不飽和脂肪酸と比較した介入研究では、飽和脂肪酸摂取量の増加により、インスリン感受性が低下し33)、インスリン分泌量が増加することが示されている35)。これらの結果は、飽和脂肪酸摂取量の増加により、肥満又はインスリン抵抗性(肥満とは独立して)を生じ、糖尿病罹患が増加する可能性を示唆している。

参考文献

23)Jakobsen MU, O’Reilly EJ, Heitmann BL, et al. Major types of dietary fat and risk of coronary heart disease : a pooled analysis of 11 cohort studies. Am J Clin Nutr 2009 ; 89 : 1425─32.
24)Astrup A, Dyerberg J, Elwood P, et al. The role of reducing intakes of saturated fat in the prevention of cardiovascular disease : where does the evidence stand in 2010? Am J Clin Nutr 2011 ; 93 : 684─8.
25)de Oliveira Otto MC, Mozaffarian D, Kromhout D, et al. Dietary intake of saturated fat by food source and incident cardiovascular disease : the Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis. Am J Clin Nutr 2012 ; 96 : 397─404.
26)Yamagishi K, Iso H, Kokubo Y, et al. Dietary intake of saturated fatty acids and incident stroke and coronary heart disease in Japanese communities : the JPHC Study. Eur Heart J 2013 ; 34 : 1225─32.
27)Mozaffarian D, Micha R, Wallace S. Effects on coronary heart disease of increasing polyunsaturated fat in place of saturated fat : a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. PLoS Med 2010 ; 7 : e1000252.
28)Salmeron J, Hu FB, Manson JE, et al. Dietary fat intake and risk of type 2 diabetes in women. Am J Clin Nutr 2001 ; 73 : 1019─26.
29)van Dam RM, Willett WC, Rimm EB, et al. Dietary fat and meat intake in relation to risk of type 2 diabetes in men. Diabetes Care 2002 ; 25 : 417─24.
30)Maron DJ, Fair JM, Haskell WL. Saturated fat intake and insulin resistance in men with coronary artery disease. The Stanford Coronary Risk Intervention Project Investigators and Staff. Circulation 1991 ; 84 : 2020─7.
31)Feskens EJ, Loeber JG, Kromhout D. Diet and physical activity as determinants of hyperinsulinemia : the Zutphen Elderly Study. Am J Epidemiol 1994 ; 140 : 350─60.
32)Marshall JA, Bessesen DH, Hamman RF. High saturated fat andLow starch and fibre are associated with hyperinsulinaemia in a non-diabetic population : the San Luis Valley Diabetes Study. Diabetologia 1997 ; 40 : 430─8.
33)Vessby B, Uusitupa M, Hermansen K, et al. Substituting dietary saturated for monounsaturated fat impairs insulin sensitivity in healthy men and women : The KANWU Study. Diabetologia 2001 ; 44 : 312─9.
34)Perez-Jimenez F, Lopez-Miranda J, Pinillos MD, et al. A Mediterranean and a high-carbohydrate diet improve glucose metabolism in healthy young persons. Diabetologia 2001 ; 44 : 2038─43.
35)Lopez S, Bermudez B, Pacheco YM, et al. Distinctive postprandial modulation of beta cell function and insulin sensitivity by dietary fats : monounsaturated compared with saturated fatty acids. Am J Clin Nutr 2008 ; 88 : 638─44.

日本人の食事摂取基準(2015年版)より

まとめ

いかがでしたでしょうか。

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ぜひ参考にしてみてくださいね。

以上、脂質が多く含まれる食品と食事摂取基準、欠乏と過剰摂取でした。

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